母の認知症はいつの間に進行しているようだ。
以前は厳しい人だとよく思ったものだが、(それは今も変わらないのではあるが)素直で正直で人の目を気にすることがなくなった分、かわいいと感じることもある。たまに、だけど。
そう、たまーにかわいいことするもんだから、ほろっとしてしまうのよ。でも、体は動かなくなっても(動かさない、と決めても?)娘たちへの「ご指導」は忘れない。こちらにしてみれば我儘な命令なのに、母は指導だと思い込んでるところがこれまた迷惑。
母はまさにハウルの動く城の荒地の魔女みたいだ。落っこちそうなほっぺたとかよく似てる。笑うとかわいい。
荒地の魔女は「おばあちゃん」と呼ばれるようになってからも尚、ハウルの心臓への執着が抜けなかった。心の奥底で光る鋭い洞察力を見せたりもした。めちゃくちゃかわいいのに、怖い。怖いのに、かわいい。
父の命日に姉と話した。
母は以前はよく父の悪口(愚痴)を言ったものだが、最近はもう聞かなくなったように思う。そのことを姉に言うと、そんなことはないよ、と姉は即答した。
先日、母に父の話をすると、母はこう言ったそうだ。
「父ちゃんだーちがいじゃーる」
「もりしたど」 と、姉。
あーあ、父が亡くなったことも忘れちゃったか〜やっぱりもう悪口どころじゃないか。
ところが、母は次にこう言ったそうな。
「くぁわば ぶんにゃげて だらしんぬん」
なんと!!なんとなんとなんと!!
荒地の魔女、大健在。
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