1/26/2013

夫婦

「わたしたち夫婦は衝突するってことが殆どなかったの」

90歳になる老女の話。
彼女の夫は9年前に亡くなった。旦那さんとは60年近く連れ添ったと言う。

  「喧嘩というものをしたことがなかった、ただの一度も」

そんな夫婦も存在するんだー、と、びっくり。 わたしからすれば夢物語のよう。

 「ご主人に対して、嫌だなーと感じる場面とか賛成出来ないこととか、なかったの?」

そう訊いてみた。彼女はしばらく考えてから、なかったわ、と言う。それから、こんな話をしてくれた。


彼女の夫は農業を営んでおり、彼女は専業主婦だった。彼女はいつも、夫の帰る時間を見計らって食事の仕込みをしておく。そして、夫が帰って来るであろう直前まで待ってから料理を仕上げた。そうすることで、「いつもフレッシュで美味しい料理を食卓に出したのよ」
ある日、夫の帰りが遅かった。 彼らの農地は広大だったので、予期せぬトラブルに時間を要し作業が遅れることも多々あった。なので、今夜も何かあったのだろうと思いながら、じっと夫の帰りを待った。夫が帰ってくるのがよく見える窓際に座り、ずっと外を眺めていた。が、待てど暮らせど、夫の姿は見えない。こんなに遅くなることは今までになかった。何かあったのかもしれない。不安を拭いながら外を見る。
と、やっと、夫の姿が見えた。良かった。彼女はほっと安堵した。同時に、料理のことを思い出した。彼の帰りがあまりにも遅かったので「仕上げ」から随分と長い時間が経ってしまっていた。あれではせっかくの料理が台無しだ。
夫は、待っている妻の姿に気付き、笑顔で手を振った。それを見た彼女は、ちょっとした悪戯心がわいたのだそう。「彼にわたしの気持ちを知らせなくちゃ、って思ったのよ」
夫が着替えている間、彼女は食卓の準備をし、テーブルに座って彼を待った。

 「彼には何も言うまい、って思ってたの。で、わたし、どうしたと思う?ふふふ、あのね、エプロンを裏表、逆につけたのよ。そうしておいて、彼の来るのを待ってたの」

さて、ダイニングルームに来たご主人、彼女の姿を見てどうしたか。
彼は妻のエプロンにすぐに気付いたのだという。そして、その状況をすぐに理解し、彼女に謝ったのだそうだ。遅くなって心配かけたね、実はこんなトラブルがあったんだよ、思った以上に時間がかかってしまった、悪かった、云々。


わーーーーーっ。まるで大草原のちいさな家のPa(父さん)じゃないか!!!穏やかな旦那さん、ちょっと茶目っ気のある奥さん。


 「今の人達は夫婦で大声で言い合ったりするみたいだけど、わたしたちはそういうことがまったくなかったの」


これは時代のせいなのか?とも思ったが、そうではないと思う。たまたま彼女と彼女の夫がそういう関係だったのだろう。なぜなら、うちの施設の同じ世代の入居者から、これとはまったく違った夫婦の形というものを聞かされたことがあるから。(これはこれで、また面白い話だったけど!)


まぁ色んな夫婦がいて当たり前だ。



cream soup with shrimp and nappa cabbage

写真は昨夜つくったスープ。残ってた白菜を使い切りたかったので苦し紛れに作ったやつ。海老が思った以上にプリプリしてて美味しかった。にんにくと白ワイン、ちょっとだけ唐辛子も入れた。



この前、家族3人で食事に出かけたとき、たまたまわたしと夫と一緒に座り向かい側にこころさんが座る形になったのだが、じーっとわたしたちを見ている彼女に気付き、「何?」すると彼女は、「あなたたち、お似合いだわ!」
あら、ありがとう。と言いながら、ちょっと不思議に思う。なぜって、その前に彼女、わたしたちのことを「あなたたち、変なカップルよね、結びつかない」とか言っていたから。


そう言えば、なんちゃって家族写真を送った友人のひとりから、「家族みんな似てる」という言葉をいただき、とても興味深かった。人間、長く一緒にいると、どこか似てくるのだろう。ひとりひとり違っていても、一緒にいることで、何か別の、塊としてのエネルギーみたいなのが造られるのかもしれない、良くもあり、悪くもある、何か。

うむ・・・出来るだけ、「良い」ものにしていきたいものだ。出来るならば、大声で言い合ったりせず、穏やかに、素直に、お互いの気持ちを伝え合って。ははははは。









1/20/2013

冬休み

久しぶりの雪。散歩中に出くわしたこんな光景。

Cosmoの大敵、squirrel(リス)

両者しばらくにらみ合っていたけれど、ほどなくしてリスはするすると逃げていった。



このところ暖かくて1月とは思えない陽気が続いて、クリスマス前に降った大雪ももうじき融けてしまうのでは、、と思っていたのだけれど、今朝から思いがけず、雪。


昨日、ちょうどフロントヤードに飾っていたクリスマスライトを片付けたところだったので、良かった。(もっとも、1月中にそれが出来るなんてとても珍しいことなのだけれど)



明日、こころさんは大学街へと戻る。長かった冬休み(5週間!!)を終え、あさってからはいよいよ新学期だ。彼女、今回は休みの間にバイトを入れなかったので、前半は自由に楽しく過ごし、後半は(家へ戻って来て)思いっきりだらだらのんびりと過ごしていた。まぁそういうことが出来るのも学生のうちだけだから、よしとしよう。仕事を始めると純粋に長期の休みというのは、なかなか取れなくなるから。少なくとも、新人のうちは特にね。


この冬休み、彼女のおかげで日本のTVをいくつか見ることが出来た。なんか知らんが、かの国のyoutube(みたいなの)で見られるのだ。それも、PCとTVとをケーブルで繋ぐので、アメリカにいながらして(我が家のTVで)日本の番組を見ている!という感じ。
夫は日本の番組が大嫌いなので(相当な偏見があると思う、)いつも彼抜きでふたりで楽しんだ。日本のバラエティはいっつもおんなじ内容でくだらなーい!とか豪語していたけれど、いざ見てみるとこれが笑えた。たまに、ふたりでお腹がよじれるほどに笑ったり、ふっ と、吹き出したり。まぁ中には笑えない(お笑いが通じない)場面もあったが、それはしょうがない。



大晦日に放送される「ガキの使い」は年が明けてから、何日間かに分けてやっと最後まで見た。期待していたほどには面白くなかった。けど、萬田久子さんと天龍のシーンは面白かった。萬田久子さんはその昔、実物を間近で見たことがあるのだが、美しさの衰えないことよーびっくり。でも、かなり痩せちゃった。なんか心配。天龍は・・・何言ってんだか全然わからんかった!凄いね、いつもあんななんだろなぁ。本人、笑わせたろとか思ってない感じが尚おかしい。でも、この番組の罰ゲーム(?)で「お尻を叩く」というのは、この国ではどうだろう、、、放送されるのは難しいかもしれない。


あと、タイトルは忘れたけれど、ナインティナインのお見合い番組も面白かった。何を隠そう、ここへ引っ越してくる前に住んでいた町だったのにも驚き〜!!でも、市町村合併で出来た町なので、「宇宙の村」だったかな・・・そう言われても、うーん、、、唸ってしまった。そういう感覚、住んでる人たちの中にはないかも。まぁそういうスローガンみたいなので宣伝していかないと、過疎化がどんどん進むだけだからしょうがないのかもしれないが。
しかし、町をあげてお嫁さん募集、というのはまだわかる。そこはわかるのだが、「結婚願望」を持つ女性の存在というのは、よくわからないなぁ。中にはまだ若い女性もいて、そのお見合いの企画された町まで、自腹で出かけて行くのだから、もう純粋に、凄い、、、と思う。


他にもしょろしょろと見た。けど、なんだったか忘れた。いつもこころさんが何かしら探して見せてくれるからね。まったくもって、他力本願。
 彼女は大学で日本語を専攻しているせいもあって、こういうのに貪欲なのだと思う。わたしは根がなぁなぁなので、見れないなら見れないでいいや、と思うほう。



そうそう、日本と言えば・・・。
2月の末から3月半ば過ぎまで、日本へ帰ることになった。ちょっと息抜き(嘘うそ!)
また、母介護の真似事に帰る。3週間の予定。今回、こころさんは同行しない(出来ない)。たぶんジェラシー感じていると思う。が、学校あるし、しょうがないでしょう。



冬休みも終わる頃(ついこの前)、やっとやっと、家族写真を強行撮影!
結果、、、どんなお笑い番組よりも笑えた!!!大爆笑!なんかこの冬休みでの一番の思い出。ろくでもない写真ばかりになったけど、とりあえず何枚か選んで、(今さらながらの)新年の挨拶に添えて友人たちに送りたいと思っている。










1/07/2013

歳の祝い

January 2013


カレンダーは毎年、クリスマス過ぎか新年早々に購入する。この頃になると50%OFFになるので。もっと待つと75%OFFまで下がるのだが、そうするとあまり良いのは残っていない(何度か経験あり)。
写真は、今年のカレンダー。毎月、鳥の絵(Hand Painted Paperのちぎり絵アート)になっていて、とても気に入っている。1月はこのかわいい鳥。タイトルはWinter Titmouseという。エボシガラのことらしい。



今年は巳年で、わたしは「年女」である。 実はそういうことをすっかり忘れていた。去年の夏に姉たちが遊びに来てくれたとき、姉から言われて、あぁそうだった、と思い出した。その直後に友人からも「歳の祝い」のお知らせが来た。


歳の祝い。
歳の祝いとは、いわゆるその年の年男/年女 が集まってお祝いすることで、自分の記憶では最初にお祝いして貰った(自覚した)のが12のときだった。母ちゃんが「とぅしぬユワイ」と言っていたのを覚えている。「ユワイ」という言葉がやけに特別な響きで誇らしかった。


歳の祝いは全国各地で普通に行われているものと思っていたのだけれど、どうも違うらしい。もしかしたら島だけかなと思い、島っちゅの友達に訊いてみたら、彼の地元でもそういうのはないと言う。島の古い慣習なのかなと思っていたのだが、どうなのだろう。


わたしの地元Dでは歳の祝いが毎正月(2日だか3日だか)に行われている。実際に行ったことがないので、詳しくはどんな感じなのかわからない。島を出た人たちも帰省し、世代を超えて一堂に会するので、盛大な同窓会でもある(らしい)。「はげーあれは◯◯の長男じゃが」とか「あれは◯◯ところの2番目よ」とか、そういった会話が聞こえてきそう。それから、公民館の舞台に上がって何やら「出し物」をしなくてはならない、というのを小耳にはさんだが、、、それを聞いただけで、もう無理、、と思ってしまう自分だった。



今年の歳の祝いに参加した、とても懐かしい友人からFacebookを介しFriend requestがあった。わたしのことをよく見つけたなーと感心しながら承認すると、いやはやびっくり!沢山の写真/動画がアップされていた。マメなお人だ。

まーしかし、この写真/動画を見てぶったまげた!こーれーはーーーー、、、これはもう「せぇ」をがばがば飲んどらんと出来んことでしょう!! いやーーまいった!でもって、あーーー帰らんで良かった!と、思った!!(笑)

それにしても、写真の中の幾人かは誰なのかわからない。わたしがもしあの場にいたら、きっと誰かもまた同じようにわたしのことがわからないのだろうね。不思議だ。


次の歳の祝いは60歳(還暦)。うっわぁーーーーーーっ!思わず叫んでしまうよ。
その友人はしきりに「61のときには」と言うのだが、なぜ???と首をかしげている。