2/14/2016

シヌフリムンヌ






職場でのこと。
取り外したラップを2m先にあるゴミ箱を狙って放ってみたら、案の定その手前に落下した。すると、それを見ていた同僚Lが笑いながらこう言った。
My mom always says,"Lazy people get double work."
Lはメキシカンの女性。最初に彼女はスペイン語でそれを言い、英語にしてくれた。
わはは。確かに。

「急がば回れ」はじめからゴミ箱へ入れてさえいれば(そのラップは取り外しただけのものなので清潔とみなされる)、カウンターをまわってゴミ箱へ行くだけで済んだのに、落ちたラップ(不潔)を拾ったがために「手洗い」をしなければならなかった。手を洗うシンクは少し離れたところにある。まぁたいした距離ではないけれどね。

先の同僚のママンの言葉は、まさに日本語でいうところの「横着は二度手間」みたいな感じか。Lazy peopleは怠け者と訳せるけれど、この場合「するべきことをあえてしない」ということなので「横着者」の方がより近いかと。
国は違えど人間の考えというものは世界共通なんだなぁ。ついでに検索してみたら、似たような表現があった。

The lazy man always does twice the work.
The lazy one works double, the miser pays double.

「ケチな人ほど損をする」というのもよく聞くぞ。



島口にはシヌフリという言葉がある。
怠けるという意味で、怠け者のことはシヌフリムンという。
ムン=者 
つまり、しぬふり者。しぬの部分は、「しない」と聞かされてきた。しない振り。するべきことをしないで済む、つまり、怠ける。それにムンがつくとその者。(いつも島口を説明すると英語を説明している気分になる。動詞にerが付くと「〜する人」という意味になる、みたいな)

話が逸れた。
島口にもことわざがある。結構、面倒くさいのが沢山ある。以前、友人から島のことわざの本を借りて読んだのだが、なるほど母の「ご指導好き」は、島口由来だったのか!と、思わされた。それくらい、島っちゅは沢山の「教え」を遺していた。

そこに、スヌフリムンヌ、で始まるものがあったのかどうか?
ー全く覚えていない。
でも、母からよく言われたのだ。シヌフリムンヌ!
言葉はいつもそこで切れていた。その続きはなかった。でもその一言だけで、ピシャーッとなったものだ。
なんたって、母ちゃんは

ウトゥマラサンカナヨー!














2/11/2016

荒地の魔女





母の認知症はいつの間に進行しているようだ。
以前は厳しい人だとよく思ったものだが、(それは今も変わらないのではあるが)素直で正直で人の目を気にすることがなくなった分、かわいいと感じることもある。たまに、だけど。

そう、たまーにかわいいことするもんだから、ほろっとしてしまうのよ。でも、体は動かなくなっても(動かさない、と決めても?)娘たちへの「ご指導」は忘れない。こちらにしてみれば我儘な命令なのに、母は指導だと思い込んでるところがこれまた迷惑。


母はまさにハウルの動く城の荒地の魔女みたいだ。落っこちそうなほっぺたとかよく似てる。笑うとかわいい。
荒地の魔女は「おばあちゃん」と呼ばれるようになってからも尚、ハウルの心臓への執着が抜けなかった。心の奥底で光る鋭い洞察力を見せたりもした。めちゃくちゃかわいいのに、怖い。怖いのに、かわいい。


父の命日に姉と話した。
母は以前はよく父の悪口(愚痴)を言ったものだが、最近はもう聞かなくなったように思う。そのことを姉に言うと、そんなことはないよ、と姉は即答した。

先日、母に父の話をすると、母はこう言ったそうだ。

「父ちゃんだーちがいじゃーる」

「もりしたど」 と、姉。

あーあ、父が亡くなったことも忘れちゃったか〜やっぱりもう悪口どころじゃないか。
ところが、母は次にこう言ったそうな。

「くぁわば ぶんにゃげて だらしんぬん」

なんと!!なんとなんとなんと!!


荒地の魔女、大健在。












2/08/2016

タナカユタカ




夫の影響でゴルフの大会をTVで観ることが多いのだが、ここ2年くらい Rickie Fowler という名前が気になっていた。よく耳にするのと、Fowlerというlast nameがなんとなくおかしくて(意味もなく)、まるでコメディ映画にでも使われそうな名だな、と思っていた。

先日、そのことを夫に言ってみると、Rickie Fowlerは日本人の血が混じっているんだよ、と言う。へ?そうなの?うん、確か母親がハーフだったと思う・・と言いながら、夫は検索をかけ、他にも色々と教えてくれた。まず、ミドルネームがYutakaという。Fowler's middle name, Yutaka, comes from his maternal grandfather, who is Japanese.→Rickie Fowler
母方の祖父の名前からとったようだ。さらに読み進めていくと、祖父の名前はYutaka Tanaka となっていた。

ユタカタナカ?

タナカユタカ?

えぇ???

思わず吹き出してしまった(失礼、)。でも、田中豊(と書くらしい、Rickieの左腕のtatooがその漢字だった)って・・・面白い!まるで Phillip Phillipsみたい?ちょっと違うか。でも、言葉の響きで遊んだのかなぁ・と思ったりした。どうなんだろ?

タナカユタカ

カタカナで書くから面白いのか?でも、タケカワユキヒデは別に面白くないからなぁ。やっぱり言葉遊びはいってたんじゃないかな?そうだとしたら、ユタカの両親は楽しい人物だったのかもしれないな。




ちなみに、昨日のPhoenix Open Playoffでは、Rickie Fowlerと松山英樹が争い、松山の方が優勝した。松山くんはRickieよりも背が高くてがっちり。大人っぽいなぁと思って見ていたけれど、時折見せる笑顔に幼さが垣間見えた。精神的にかなりタフなのだろう、素晴らしいプレーで優勝した。日本でどれくらい騒がれているかわからないけれど、もの凄い事なんだよね。今後もRickieともども応援したい。