12/09/2020

どっちもどっち

 






思いがけず夫の帰宅が早まった、と連絡が入った。何か買ってくるものはあるか、と訊かれたので、特にないと答える。が、夕飯のために何かピックアップしようか、と言う。まだ作ってはいないけれどと準備はしていると返すと、チキンを買おうかと思っていたと言う。そういうことならsounds good, thanks.とお願いした。夫の中ではもう決まっていたことなのだ。それならそれで良い、助かります。


何か言いたいことがあるのだろうと思っていたら案の定。レスキュー担当の女性に電話をすることになっていると言う。「明日、Bevoとマッチングテストをして・・」と言うので慌てて遮った。ちょっと待って、考えさせて欲しいって、わたし言ったよね?

夫の中ではもう決まっていたことなのだ。でもこのことに関してはそう安易に「それならそれで良い」とは言えない。険悪なムードになった。I understand, と口にしていたが、いーや、あんたはなーんもわかっちゃいない、わかるもんですか。


結果から言うと、明日の「マッチング」は先延ばしとなった。今週は無理そうです、早くても来週に、と言っていた。そうなのか、来週に連れて行くんですか、と思う。その後、夫と少し話をした。わたしにまだ心の準備が出来ていないことをあらためて伝えた。Cosmoが逝ってしまってから、本当はまだ心の整理はついていない。ずっと整理はつかないのかもしれない。でも、まだ、そういう気持ちにはなれない。なりたくない。


Deweyが逝ってしまって、割と早いうちにBevoを迎え入れた。あの時はなぜかすぐに決心出来た。Cosmoのためにも必要だと思えた。でも今回は違う。Bevoに必要なのは、わたしたちとの時間だ。彼はまだ学習の途中なのだ。新しい犬を迎え入れるのはその先で良いのではないか。

あなたはBevoのためにって言ってたけど違うと思う、あなたはあなたのために新しい犬が欲しいのよ。

夫はその言葉に傷ついたようだった。半分は当たっているのかもしれない。でも、Bevoにとって良い犬を探したつもりだ、それは本当だ、Bevoを一番に考えて探した、と言っていた。紹介された犬は確かにそうだった。この子なら、と思った。でも、どこか踏み切れない。




夫はその後、Bevoを連れて散歩へ出かけた。散歩はもう済んでいたけれど、歩きたかったのだろう。歩きながら、考えたかったのだろう。


夫の落胆ぶりを見ているとこちらまで辛くなる。夫の中ではもう決まっていたことなのだ。それをわたしが覆したのだ、という気分になる。もういいよ、好きにすればいいよ、と口にしてしまった。が、夫もわたしの気持ちが痛いほどわかるようだ。いや、君がそういう気持ちじゃないのなら仕方がない、と言っていた。もしかしたら夫の中でもまだ決まっていたことではなかったのかもしれない。わたしの後押しを待っていただけなのかもしれない。



夫の買ってきたchicken tenders、いつもみたいに美味しく感じられなかった。







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